重症心不全からの復活記録

重症心不全からの回復記録

拡張型心筋症or頻脈誘発性心筋症との闘病ブログです

入院から転院まで 〜その2〜

主治医からの説明

家族に来てもらい、主治医からの説明日を迎えました。

 

「今後の治療方針って言ってたから、検査の日程とかなのかな、、?」なんて思うようにしていましたが、脳裏によぎるのはよくないことばかり。

 

そして告げられたのは、 

  • 薬での内科的治療に思ったほど効果がないこと

  • 投薬が難しく心臓の状態を回復させられない場合、最悪「心臓移植」が必要になる可能性もあること 

  • 仮に心臓移植が必要になった場合、当院では設備がなく対応できないこと

  • 転院は症状が悪化する事もあるため、対応できる病院へ早めに転院すべきということ

ざっとこんな内容でした。

 

この時も、正直「えっ、、あ、そうなんですか、、」みたいな反応しか出来ませんでした。

しかしよく考えると、

「これってつまり、もうどうしようもないほど悪くなってるってことだよな、、」と徐々に頭が追いついてきました。

 

しかも心臓移植って。

そんな悪いのかって、何故か笑えてきてしまうレベルでした。

なんで俺が?移植ってどうやるんだ?いくら掛かるんだ?それやれば本当に助かるのか?ていうか、本当にそれしか方法ないのか?

そんな考えがぐるぐると駆け巡ります。

 

まぁ、最悪のケースっていうのは患者に伝えておかなきゃいけないんだろうな、なんて自分をごまかしていたのですが、正直めちゃめちゃ怖かったです。

 

生まれて初めて、「死」というものが自分にも起こる事として身近に感じましたし、突然やってくるものなんだ、とも強く感じました。

 

でも、逆にこのおかげで覚悟出来たといいますか、

「だったらやれるだけやってやる」という気持ちも芽生えてきました。

とはいえ、恐怖の方が勝っていましたけど(^_^;)

転院先の主治医との面会

症状がまだ軽いうちに転院出来るよう、当時いた病院の主治医に手続きをお願いしました。

実は説明当日、最初に紹介された病院があったのですが、自宅からも両親の家からも遠かったため、他の候補を希望し提示して頂いていました。

 

他の病院を希望されるのは予定外だったのでしょう。

ちょうど説明日は土曜日だったので、受け入れできるかどうか含め、諸々確認しないといけないとの事。

ちょっと時間かかるかな、、なんて思っていましたら、主治医の先生があの手この手でコンタクトを取ってくれ受け入れOKの連絡が。

 

これは追々書いていきますが、結果的にこの決断(早期転院)が最もいい結果を生んでくれることになります。少しでも早く転院出来るよう調整してくださった先生には、本当に感謝しています。

 

その後、転院前に一度面会しましょうとなり、わざわざ転院先の主治医が出向いてくださることになりました。

心臓移植と補助人工心臓

転院直前、転院先の主治医との面会日となりました。

この時確か入院して1週間ちょっと。

現在の症状、その間の経過や考えられる病気、今後の方針などについて1時間ほど時間を頂き面会を行いました。

 

症状や経過はこれまでの記事に書いた通りなのですが、改めて告げられたのは「特発性拡張型心筋症の疑いがある」ということ。

 

拡張型心筋症は特定が難しく、除外診断によって診断がついていきます。

除外診断とは、診断のつけにくい病気について、他の病気でないことを診断(除外)することで、最終的にその病気であると診断することです。

 

この時、まだ詳しい検査は一切行っていなかったのでまだ確定ではありませんでしたが、症状からして可能性は高いとの話でした。

 

そしてやはり、薬での治療ができない場合は心臓移植になる、との話も。

体中がザワつく感じを堪えながら先生の話に耳を傾けます。

  • 心臓移植は、ドナーが圧倒的に少なくすぐに実施できるわけではない
  • 現在の日本では、心臓移植登録から移植まで5年〜7年ほど待機しなければならない
  • 待機期間中は、補助人工心臓という機械を心臓に繋ぎ、延命する
  • 補助人工心臓をつけても回復せず、待機期間中に亡くなってしまう人もいる

つまり、仮に心臓移植がなければこれ以上生きられない、という事になった場合、補助人工心臓を取り付けて生きていかなければいけないのです。

 

(補助人工心臓についての細かい内容は、以下のリンクに詳しく記載がありますので、ご興味がありましたら是非読んでみてください)

www.ncvc.go.jp

 

補助人工心臓(以下、VAD)を埋め込むと、使い方(バッテリーの交換方法など)がわかる身内に24時間つきっきりになってもらわなければいけません。

VADが生命維持装置ですからね。もし何か異常があって止まってしまった場合、ひとりではどうすることも出来ないので誰かに付き添ってもらう必要があるのです。

 

外出はもちろん、仕事もひとりでは行けないですし、職場でも協力を得ないといけません。

 

体を開いて跡が残ったって構わない、治療がどんなに辛くたって、一生薬を飲み続けないといけなくたって生きられるならなんだって構わない、でも自分のせいで他の人の人生が振り回される事だけは耐えられない!!

 

自分の中にあった気持ちを正直に書くと、この事だけでした。

この先普通に働くことはできないかもしれない

妻は今の仕事が楽しいと言ってるのに、仕事を辞めてもらわなければいけないかもしれない

両親にも毎日付き添ってもらわないといけない

・・・

俺がただ生きるためだけに家族の生活を変えてしまって、みんなの時間を奪ってしまっていいんだろうか?それって本当に生きてるって言えるんだろうか?

 

口にすることはありませんでしたが、心の奥ではそう思っていたのです。

 

でも、そんな気持ちが滲み出ていたのでしょうか。

妻と両親は「もしそういう事になったとしても、何も心配いらないよ」と言ってくれました。

 

心臓移植はあくまで最悪のケース。いわば最後の手段です。

まだ検査も行っていないし、他の病気の可能性だってある。薬で治る可能性だってまだゼロになったわけじゃありません。

 

転院後は、詳しい検査や他の治療も考えていきましょう、という話でその日は終わりました。

あとは転院を待つだけの日々が続きました。